男性にも妊活が必要な理由

 

不妊の原因は男性にもある

医者 不妊症と言うと、一方的に女性の側に責任があるように思っていませんか?

男性には責任がないと思っている方も、多いのではないでしょうか。でも、不妊の原因を探ってみると、実は男性側に原因があるケースが意外に多いことが分かっています。

1998年にWHO(世界保健機関)が、不妊の原因の割合を研究し、発表した資料があります。それによれば、①男性に原因がある…24%。②男女ともに原因がある…24%。③女性に原因がある…41%。不明…11%。(データに重複あり)

なんと、男性に原因がある場合が合計で48%と、ほぼ半分を占めています。そして、このデータの発表から10年以上が過ぎた今現在は、男性の不妊症がさらに増えていると言われています。不妊の原因は女性側にだけあるのではありません。赤ちゃんを迎えるためには、パートナーとなった男性も一緒に妊活に取り組む必要があります。

 

妊娠のメカニズムを知る

妊活の第一歩として、どうしたら妊娠するのか、そのメカニズムをよく知っておくことが大事です。妊娠は男性と女性の共同作業。恥ずかしくてなかなか聞けないことですが、男性と女性それぞれの視点から確認することで、より効果的に妊活を進めることができるようになります。

 

排卵と受精、着床

まずは妊娠のメカニズムを女性の視点で見てみましょう。女性は胎児のときから卵巣の中に「卵子(原子卵胞)」を持っています。初潮を迎えると、約28日の月経周期ごとに、その中からたった一つ、選ばれた優秀な卵子が成熟し、排卵されます。排卵された卵子は卵管内で精子との出会いを待ちます。子宮内では子宮粘膜が厚くなり、受精卵が着床しやすいベッドを作ります。そして卵子と精子が出会うことにより受精卵となると、細胞が分裂を繰り返しながら子宮内膜に着床し、妊娠が成立します。

 

勃起と射精

これを男性の視点から見てみましょう。男性は性的な刺激を受けると副交感神経が働き、陰茎(ペニス)が勃起します。脳の勃起中枢が興奮して指令を出し、陰茎に動脈の血液が流れ込んで大きく膨らみ、硬くなるのです。そして勃起した陰茎を女性の膣に挿入し、性的興奮が高まると、精液と精子を放出。これが射精です。射精された精子は子宮頸管をさかのぼり、卵管まで到達した精子の中で一番元気なものが、卵子の中に入って受精します。

 

医者このように、妊娠とは健康な卵子と健康な精子との出会いがあって初めて成立するもの。それをサポートするのが、「妊活」です。待望の赤ちゃんを授かるためには、女性だけでなく、男性にも妊活が必要となります。